ファーストキャリアの挑戦
Special Interview 01 スペシャルインタビュー

学生時代に培った、専門スキルにとらわれない課題解決

2021年入社 デジタルトランスフォーメーション事業本部
染谷 一輝
2021年入社 デジタルトランスフォーメーション事業本部

神奈川⼯科⼤学大学院 工学研究科卒業。2021年新卒としてSpeeeに入社。大学時代は、開発サークルにてUnityでのゲーム制作や、大学合同プロジェクトにてBluetooth技術を用いたゼロイチのプロダクト開発を経験。入社後はヌリカエ事業部に所属。少数制チームの中でリフォームDBの刷新、SEO強化のためにコンテンツ開発、PageSpeed Insightのスコア向上のためのパフォーマンスチューニングなど、入社1年目ながら数々のプロジェクトを遂行。

SpeeeのDXにかけるビジョンへの共感や「エンジニアとしてフルスタックに活躍したい」という思いから新卒でSpeeeへ入社しました。

元々は、「プログラマってかっこいいな」という思いがあってプログラミングを始めました。大学で情報工学を学び、エンジニアになることを決め、就活で出会ったのがSpeee。
ただ、私は工学部であったこともあり、Web技術は授業でかじった程度で、院に通って培ってきた専門性の高い勉強がこれから活きることは少ないだろうと思っていました。
しかし、1年間仕事をしてみて振り返ると、学生時代は点でしかなかったことが繋がるようになり、大学で学んだ領域と今の仕事が違えど、エンジニアとして培われた軸があることを実感するようになりました。今回は、学生時代に培ったことが今のエンジニアとしての軸にどのように繋がったのかをお話したいと思います。

とにかく粘り続けて思考錯誤することが好きだった

学部時代はとにかく自分の好きなことをやっていました。
入学したててのときはソフトウェア工房というサークルに入り、Unityでゲームをつくっているのが楽しかったです。振り返るとプログラミングが好きになったきっかけでした。

院に入ってからは一転、取り組む領域や難度ががらっと変わりました。
分野としてはデータ圧縮を研究していました。
当時、データ圧縮界隈のトレンドは大きなデータを如何に速く、小さくデータ圧縮するかでした。
ただその領域に突っ込むと新規性がないと感じたので、如何に小さなメモリ使用量で効率よくデータ圧縮できるかということに挑んでいました。
学会・論文がとにかく多い研究室で、B4~M2までの3年間で学会参加は13回、そのうち査読付き国際学会発表は5回と、数多く参加しました。これらの経験は楽しかったものの、試練の場だったなと感じています。

この当時はなかなか成果のでない論文に苦しみながら、ひたすら研究室にこもって研究していました。前に発表した論文となにが違うのか、差分がないことが気持ち悪く、成果が出ずに卒業するのは絶対に嫌だという気持ちがありました。研究は振り返ると辛いことばかりでしたが、楽しく好きなことをやっていた個人開発よりも研究をやりたいという思いの方が強かったです。研究の内容そのものへの興味関心というよりは、難度の高い試行錯誤を1人で乗り越え結果を出していくことが、負けず嫌いで妥協したくない自分の性格に合っていたと思ってます。

当時の原動力は、2つありました。
1つ目はどんなに試行錯誤して苦戦しても途中であきらめたくないという想い。
2つ目は難度の高い問題を解決に導き、結果が出たときの達成感。

修士の先輩は少なく、教授もアイディアをくれることはありましたが、プログラミングのアドバイスをもらえるような環境ではなかったので、とにかく自分で切り開くしかありませんでした。
そんな中でもどうすれば結果が出るのか仮説を立て、片っ端からできることを潰していく。プログラミングでいうとライブラリのメソッドをひたすら試すなど、道筋がない中でもわずかな光を探しながらやっていき、粘り強く課題を解決していくことが楽しかったです。

追い込みのときは気づけば22時から朝まで夜通しで作業していることもよくあり、家に帰らず研究室に寝泊まりしていました。当時は認識していませんでしたが、思考し続けて納得いくものができたときの嬉しさを無意識的に体が覚え、没頭できるようになったんだと思います。

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エンジニアとして必要不可欠な基礎体力に繋がった

振り返ると今取り組んでいる仕事に必要不可欠な基礎体力がいかに鍛えられたかということが分かります。
1つは、とにかく時間を忘れるほど没頭して技術の探索をしていくこと。
本当に昨日のことですが、SQLに苦戦していて、分からないなりに技術と闘っていると時間を忘れてしまうように楽しんでいる自分がいました。そういった思考錯誤するプロセスは忍耐力も必要ですし、ただ辛いだけではできないので、没頭して楽しむことが結果まで辿り着くことに繋がっています。

もう1つは、自分なりに考え抜き、道筋を作っていくこと。
どこに問題が潜んでいるか分からない状況のなかでも問題の箇所を特定し、課題を解決するための方法論も培われました。力まかせに手当り次第調べるのではなく、問題となりそうな箇所を段階的に絞り込み特定に近づける二分探索のような考え方は、携わって間もないプロダクトの課題発見の力になりました。
新卒1年目で、プロダクト、ユーザー、事業ドメイン、いずれにおいてもまだまだ分からないことが多いなかで、この状況を没頭しながら少しづつ自分のものにしていくことに繋がっています。

学生時代のバックボーンが強化されてきた実感

Speeeに入社して働き始め、これまでのバックボーンがより強化されていきました。

1つは、背中を見せてくれる先輩がいて、コードレビューをガンガンしてくれる環境。
実際この1年での成長は、コードレビューによる影響が一番大きいです。
学生時代は効率が悪く、ネットで調べたものを総当たりで試しながら学び、できることを増やしていくというやり方でした。今はチーム開発の中でレベルの高いレビューが受けられる環境で、それを最大限に活用すべきだと思っています。先輩からのレビューに対して「どんな考え方をしているのか」を聞き、自分で試し、自分なりのやり方を生み出していくということを必ずやっています。
例えば、1つの機能としてこんな書き方あるよというフィードバックがあったら、その中のコードを1つずつ検証していきます。フィードバックしてもらったものをそのまま受け取らず、実際に動かして分からないところをなくしていくということを繰り返しています。
学生の頃から、知的好奇心をもって深ぼり、とにかく実践して自分のものにするという習慣はありましたが、背中を追いかける先輩からのレビューによって、1聞いて1以上盗むというレバレッジの効く学び方ができるようになったと思います。

もう1つはコミュニケーションを通してユーザーの価値提供を洗練していくこと。
学生時代は一人で黙々と作業をするタイプで、コミュニケーションはほとんどとっておらず、会話自体も苦手でした。そんな私が、ビジネスサイドのメンバーと対話することで本質的なものづくりをすることや、開発チームとのコミュニケーションの中で良いアイディアを生み出せる瞬間を実感できるようになったのは、入社してからのことでした。
Speeeには「目的思考」を持った人が多いです。常に「ユーザーのためにはどうしたら良いのか」を突き詰めているので、今このプロダクトを何のために作っているのかについてを常に考えさせられるようになり、技術を追求していくことだけでは良いものづくりに辿り着けないことは身をもって体感しましています。

課題解決に向かう粘り強さを持ち続け、事業開発していきたい

現在Speeeではいくつもの事業が次々と立ち上がっているフェーズで、次のチャレンジとしては新規事業の立ち上げに関わる機会も掴んでいきたいと思っています。
1年目はWeb技術の経験が少ない中でも、自分なりの思考錯誤で粘り強く技術に向き合ってきましたが、技の卓越だけではよいものが生み出せないことも同時に痛感してきました。

事業立ち上げに挑んでいくためにもっと強化すべきだと思っていることは、担当しているプロダクトの事業戦略やユーザーのターゲット層、事業を拡大していく中での課題の理解を深めることです。
プランナーからユーザーストーリーを渡されるとき、そのストーリーに至った背景まで知る事が大事だなと感じています。それによって本当にやる必要があるのか、どうやって実現するのが目的の達成により早く、精度高く近づけるか、という判断ができます。

ユーザーへの価値提供というのは、一概にAかBという答えがあるわけではなく、トレードオフもあり、答えがないからこそ自分で答えを作っていくことが必要だと思います。
それが実現できるエンジニアになるには、事業・ユーザーを理解し、技術を使ってどう課題を解決できるか、という答えのない道を粘り強く考え、その過程を楽しんでいくこと。
複雑で難易度は高いですが、学生時代に培った粘り強さを持ち続けることには変わりないかなと思っています。

まだまだ始まったばかりですが今後も挑戦を続けていきます。